ども、イマシタです。
ローカルで声を使った表現を主にしています。
歌ではないです。声優、俳優、役者です。
コヤナギシンジという僕にそっくりのミュージシャンとはお友達です。
最近、よく、
どうやったらナレーション上手になりますか?
とか
ナレーションでの表現をどうしたらいいのかわからないんです
といった相談を受けます。
上手なナレーションの仕方は正直解りません。だって、僕、上手じゃないから!僕が教えてほしいくらいです!まあ、しいて言うとすれば努力でしょう。
でも、ある程度経験を重ねていくうちに何となく声を使って表現する為に考えなければいけない事、意識しなければいけない事は解ってきました。
上のような相談をされるたびに僕なりに答えてるんですが、ある程度同じことを言ってるんで、これは、共通した何かがあるんじゃないかと思って、言葉として残しておきます。
- 声を使った表現をしてみたい
- 声を使った表現の練習方法を知りたい
- 声を使った表現を仕事にしたい
と考えてる方には、何かのヒントになるかもしれません。
声を使った表現で一番大事と思う事
ズバリ!イメージ力だと思います。
イメージする力。
ここでちょっと質問です。
普通のお芝居と、声を使った表現ではどちらが難しいと思いますか?
だって、セリフは覚えないといけないし、段取りはいろいろあるし、そこに身振り手振りを加えてお芝居をしなくちゃいけないし、やること多くて難しそう!だったら、朗読とかラジオドラマとか、声を使った表現の方が簡単そう!
と、多くの人は普通のお芝居の方が難しいと思うんじゃないでしょうか?
僕は、声を使った表現の方が難しいんじゃないかと思います。
お芝居が簡単だと言ってるわけではありませんよ!
どっちも難しいけど声を使った表現の方が、より難しいと思うんです。
僕はもともと役者ですから、体と声を使った表現をしてました。
最初は、ナレーションという仕事は苦手でした。若いころは顔出しの仕事の方が得意でしたし、それなりの需要があったからです。
けど、年を重ねていくうちにそれだけではだめになってきました。デブでハゲになったからです。
でも、幸いにもすぐ近くにナレーションで食べてる役者がいたんです!そこから、ナレーション、つまり声の表現について考え始めました。
で、始めたばかりのころは、上手に読もう上手に読むためにはどうしたいいか?という事ばかり考えていたんです。
ここでいう上手に読むということは、いかにスラスラ読めるかということですね。
そうすると
なんか、読んでるんだよね~もうちょっと感情込めて
とか言われるんです。
で、芝居やってるもんですから、大げさにしてみたり、感情を込めたつもりで読むと
なんか、芝居がかってるんだよね~演技してるように聞こえる
とか言われます。
もうね、こうなってくると負のスパイラル!相手に気に入られるように読んでしまうわけです。
多分、こんな時期が4~5年続いたんじゃないかなぁ。
で、言われることは毎回同じなんで、そりゃあ、考える訳ですよ、なんで読んでるように聞こえてしまうのか。
ここで思いついたのがイメージ力です。
なぜ声の表現にイメージ力が必要か?
ここで最初の質問に戻ります。
芝居と声を使った表現の一番の違いは「視覚的要素」です。
簡単に言えば、見える、見ることができるということです。
この、見ることができるに詰まってる情報量はものすごいです!
例えば「バイバイ」というセリフがあったとします。サヨナラのあいさつの方です。
普通の芝居であったら、顔の表情、手の振り方、立ち姿、いろんな目で見ることができる情報によって、寂しいのか、悲しいのか、希望があるのか、明るいのか、暗いのかを伝えることができます。
でも、声だけで表現するときには、その視覚的要素を使うことはできません。
で、陥りやすいのは、「それ風」にしてしまうということです。
前後の内容を読めば、その人がどんな感情で「バイバイ」と言ってるのかということはわかると思うのです。で、単純に、その感情を自分の中にある引き出しから引っ張ってきて、「その感情風」に言ってしまうわけです。
それが、ものすごく上手にできる人なら、それで構いませんが、どうしても「読んでるように聞こえる」の負のスパイラルから抜け出せない人は「それ風」では太刀打ちできないということです。
じゃあ、どのようにして、「それ風」からの脱却を試みるか?
それがイメージ力ではないかと思うんです。
視覚的要素の情報量を補うために、自分の頭の中でそのシーンがイメージできてるのかどうか考えてみてください。
自分でイメージできないものを、相手に伝えることはできません。
確実に、その風景、どんな表情なのか、何なら体感温度くらいまでイメージして読んでみてください。
きっと、読み方が変わってくるはずです。
以前の記事で書いた、情報過多な日本語を使っているというのも、このイメージ力を使わないということに係わってくるのかもしれません。
イメージ力がついてきたら
ここからは役者・俳優・声優・ナレーターに共通して言えるのですが、その原稿(脚本等)が
- 誰が
- 誰に
- どんなことを
- どういう風に
伝えたいのかを考えるということです。
これも、普段の生活ではみんな普通にやってることです。普通に生活してコミュニケーションをとり話すということは上のことを自然とやってるという事なのです。
ただ、目の前に原稿なり脚本なりがあると、それを目で追って読むという作業に没頭しがちです。
上のおじさんが
なんか、読んでるんだよね~
というのは、文字通り目で読んでいるものを言葉にしているんです。
イメージ力が足りない人は「それ風」に目で読んでいるものを言葉にしているだけなのです‼
こういう風に改めて文字にすると、ちょっと怖くないですか?
でも、「もっと感情入れて」とか言われる人の多くはこういう人が多いです。
そうならないためにはどうすればいいか?
これは、努力と経験しかありません。
僕は芝居をやってましたから、このことに気づいてからは
芝居みたいに暗記すればいいんじゃね?
と思い、必死になって暗記しようと頑張りましたが、ナレーションの原稿は当日にもらうことが多く、難しかったことを、今、思い出しました。
そもそも、芝居の台本暗記したこと数えるくらいしかないし(レ・ボンヌという芝居とゴドーを待ちながらという芝居2本だけ)
で、どうやったかというと「読まない」ということを意識しました。自分は、ただ読んでいるんだということを認識したという方が正しいかもしれません。
あとは、ひたすら反復練習です。
今までやってきた原稿を引っ張り出して、いかに読まないということを意識して、声に出せるか。
何回も反復練習をしていると、自然と原稿は体の中に入ってきます。その時に出す言葉が今、自分の中の「読まずに出せる表現」だと確認できるようになります。
それをしっかりと自分の中にストックしておくということが大事です。
声の表現の上達方法
上の二つができるようになった人は、より高い表現力をつけたくなるでしょう。
いろいろな方法があるのですが、僕がやった中で一番ためになったものは「物まね」です。
これは主にナレーションなどの仕事に就きたい人には、おススメです。
物まねなんかより自分の個性を伸ばすことが大事じゃないの?
わかります。物まね芸人を目指してるわけではないのですから。
皆さんは俳句の世界に「本歌取り」という技法があるのをご存じですか?
要は物まねなんじゃないかと思います。ざっくりと。
あと美術の世界においても模写という練習方法がありますよね。
こうすることにより何らかの「型」のようなものが理解できるようになるんじゃないかと思います。
そういう意味での物まねです。
ナレーションなんかは、一応の正解はCMとして放送されています。ナレーションのプロが、CM作りのプロたちと一緒に作り上げた作品なので、それは、「正解」でしょう。
その流れている正解を文字におこして、自分で物まねしてみることです。何なら、完コピ。
- なぜこの声の高さで話しているのか?
- なぜこんなテンポなのか?
- なぜこんな間があるのか?
- なぜここはひとつづきで読んでるのか?
- なぜこの表情で読んでるのか 等々
そこから学べることは数えられないほどあります。
わからないことがあれば、目の前の正解を何度となく見てみる(聴いてみる)ことです。
最終的には、なぜ正解のナレーターが選ばれて、なぜ自分が選ばれなかったのかとかも分析できるようになれば面白いです。(まあ、認知度や収録場所なんかどうすることができない理由もありますが。)
そして、物まねでの練習をするうえで一番大事なのは、携帯や録音できるもので、自分の声を録音して、正解と聞き比べてみるということです。
最初の方は、自分が話してる声と録音した声が違うことに違和感を覚える人もいるでしょう。
また、自分が思ってた以上に表現できてない事にも気づくはずです。
録音したものを聞くことによって、自分が普段、どんな話し方をしているのか、第三者的な視点から確認・認識・理解するということは、非常に大事なことです。
ローカル声優が考えてみた!声を使った表現で必要なこと!まとめ
今回は声を使った表現で考えておきたいことを3つお伝えしました。
- イメージすること
- ただ読んでるだけにならないこと
- 物まねしてみること
この3つを意識してみると、今までとは違った声の表現ができるかもしれません。
ただ、一番大事なことは何事もやり続けることです。
2・3回やって頭で理解しただけにならないように注意しましょう。
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